1996年1月1日月曜日

仮設住宅での記録

【段差と手すり】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず、「でえくさんず」が始めた仕事は仮設住宅の段差を少なくすることと、手すりを取り付けることです。
玄関入り口仮設の住宅はふつうの家と同じように床が高くなっていますが、地面からは30Cm~50Cmの高さがあります。こんなに高いと元気な若い人でも出入りには大変ですね。そのためにU字溝という排水溝に使うコンクリート製のブロックを逆さにして玄関の前に置いてあります。
しかしこのU字溝の高さでさえ30Cmもあるんですよ。そこでこのU字溝の前に厚さ15Cmのブロックを置くことにしました。そうすると家の中に入るまでに3段の階段ができることになり、少しは楽になります。しかし、この階段を上り下りするにも何かに捕まらないと不安定で危なのです。そこで手すりが必要になるのです。

【風呂場】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このような段差は風呂の入り口にもあります。
ここは家の中なのでブロックは置けないので、木製の足台を作って置き、手すりを取り付けました。
さらに、風呂は桶が高く、滑りやすく危険なのでこの中に
も手すりを取り付けています。

震災があったその夏は特に暑く、風呂の中はまさに蒸し風呂の中での作業であった!


      取り付けた手すりの数       405本
      玄関入り口に置いたブロックの数  406個
      風呂場入り口に置いたの足台の数  85台

【引っ越し】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

でえくさんずがお手伝いをした引っ越しは
  1,統廃合のため仮設から仮設への引っ越し
  2,仮設から恒久住宅への引っ越し        です。

    引っ越しをお手伝いした件数  150件


仮設の統廃合のため何回も引っ越しを余儀なくされた人たちも多くいましたが、それは大変だったと思います。
やっと永住できる住まいにほとんどの方が移られたことを「でえくさんず」としても本当によかったと思っています。

しかし、中には仮設の方がよかったなんて言う人もいるんです。
それは、今の集合住宅は玄関の扉を閉めてしまうと外とは隔絶されて、
孤独な世界になってしまうからです。
もっと人と人とがふれ合うような環境をつくっておいてほしかったですね。それも自然にふれ合うことができる環境を。


【日差し対策】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

震災があった年の夏は暑かったですね。特に仮設住宅は外壁が鉄板でできているので、手で触れなくなるほど熱くなるんです。

「でえくさんず」でも何とかしようということで、安くて強風に飛ばされても安全なものはないかと考えたのが農業用の寒冷紗という黒い網状のものです。

これを日にあたる外壁面にカーテンのように掛けたんです。黒くて見た目には暑苦しそうですが、これが以外と涼しくなるんです。黒だから熱を吸収して熱を通さないんだと思います。

私の家でも夏になるとしているんですが、ピンとうまく張れば見栄えもいいんですよ。皆さんも一度やってみて下さい。

        寒冷紗の枚数          155枚

【家具・電化製品の提供】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


震災にあわれた方の中には、家具類をほとんど持ち出せなかったという人もいます。こんな方の為にどこからか家具類を貰い受けて、困ってる人に提供してきました。
最初、こんなことを始めたのはフェニックス東ステーションでこちらをお手伝いしたのがきっかけですが、私達も独自に家具類を貰い受けたり、粗大ごみの中からいいものを探し出して提供してきました。この粗大ごみにはなかなかいいものがありましたよ。
残念ながら今はこの仕事はしていません。それは一時的に家具類を置いておく場所がないからです。今までは仮設の部屋を借りていたんですが、仮設もなくなりますのでそれができなくなるのです。
家具・電化製品を提供した数→数は集計してないが300以上


【棚の取り付け】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



取り付けた棚(たな)の枚数→124枚




【その他、仮設での仕事】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「でえくさんず」がしたいろんなことをここで全てを紹介できないのが残念です。





*すきま風対策  
仮設住宅は隙間があっちこっちにあるんです。冬は寒いでよ。このすきま風を新聞紙、ガムテープ、板切れで塞ぐんです。

*洗濯場の寒風よけ
仮設住宅の洗濯機は外にあり、冬の寒風の中で洗濯するのは辛いんです。特にケア付き住宅は身体の弱い人が入っているので洗濯機の周りに透明の波板を張りました。

*ひさしの取り付け
洗濯機の上にひさしがないところがあって、雨のときは傘をささなければならないんです。この上にひさしを取りつけました。

*仮設での行事のお手伝い
仮設で一番大切なのは人と人とのふれ合いですね。ボランティアの人たちも特にその点に気を使いました。 例えば 年末のもちつき大会もそうです。

     とにかく、仮設で仕事をした全ての件数→898件
     数のデーターは99年3月31日までの集計です。